美術通信
2008年 02月 15日
美術通信2月20日発行記事より引文
両開きは門、片開きは戸とされて人の出入りに使われる。神祀る空間と人間世界つなぐ鳥居も門、俗界と冥界を分ける鬼門も又、門である。
その「門」に水墨の光をあてる作者は書家の出身。絵に転じ数年にして連続10回の受賞と履歴に記される。
ロンドンの一隅を描いた永劫の歩み120×2以下、花や人物を交えて24点。墨への集中力で写生し、暈かしの幻想とによって俗界と冥界の狭間に光をあてる。
<時代の影>シリーズの門の大半は逆光で、そこに釈迦の降臨図もあれば、地獄の門もあるといった具合。中でも地獄の門による開門のモダンな複合図は異色であり、それこそ旧守の水墨に現代の光をあてる。「現代アート」を名乗るにうってつけの作品だろう。 編集部
by uchidamone
| 2008-02-15 18:30
| 新聞雑誌掲載記事